折茂昌美(Shampoo):インタビュー
『DENKMAL』には多彩なゲスト・ヴォーカルが参加している。
アルバム前半のハイライトを飾る重要曲「アンジュ・ソレイユ」では、シャンプーの折茂昌美さんが作詞とヴォーカルを担当。
クールネスと妖艶さを併せ持つ歌声は、ミステリアスな電子音響の森の中を浮遊する妖精のようだ。
その制作の舞台裏は、どのようなものだったのだろうか。
かつてない私を誕生させてもらいました
■「アンジュ・ソレイユ」の歌詞はどのようなイメージのもとに書かれたのでしょうか?
ずばり『DENKMAL』です、そのタイトルからイメージをもらいました。
時が経てば忘れ去られてしまうもの、脆く朽ちてしまうものの普遍化、記号化。
その記号を少しだけほぐすような…そんなイメージで作らせていただきました。
■曲の後半のリーディングは誰のアイデアですか?
もともとのデモ(成田さんの仮歌入り)にリーディング的な音が入っていたのでその時点でのアイデアは成田さんなのでしょうか?でも予定では喋る量はもっと少なかったんですよ。
レコーディング当日になってスタジオで録音を始めたら、今度は横川さんが、喋りがいいからもっと増やそうと案を出されて…一挙に喋る量が増えました(笑)。
■どのような制作過程を経て完成したのか、大まかな流れを教えてください。
歌詞はデモが届いてからです。
最初に曲を聴いたときのインパクトで、ある程度一気に書きました。
大まかな流れは、
デモが届かない→届かない→届かない→届かない→届かない→届いた!
→中身は後でいいからまずタイトルを下さいという依頼(笑・汗)
→24時間後タイトル提出→36時間後歌詞提出→レコーディングまでゆっくり見直し
■シャンプーのレコーディングと比較して4-Dのレコーディングの現場はどうでしたか?
安心感がありましたね。始めから好きに料理して下さいっていう気持ちで臨んでいますから終始リラックス。もちろんこれは絶対的な信頼感があってこそです。4-Dの皆さんの言いなりになっていれば間違いはないと。
あと、成田さんのオペレーティングがすごく巧みで…すごく上手に誘導されつつ(笑)レコーディングすることが出来たのは本当に有り難かったです。
シャンプーのレコーディングも基本的にはそう違いはありませんが、ここまで他力本願ではいられない分もう少し切実な空気があるかも。それも楽しいんですけどね。
■レコーディングで折茂さんの歌声と4-Dのサウンドが融合した瞬間、どう思われましたか?
痛快。思わず笑いました。
いくつかテイクを録ったのですが、そこか!そこチョイスするんだ?!…と(笑)。
これは人と何かを作る時の一番の楽しみであり醍醐味です。私はかつてない私を誕生させてもらって、4-Dはあくまでも4-D。おみごと。
■折茂さんが4-Dというユニットに対して抱いているイメージは?
自由な人たち!
■『DENKMAL』を聴いての感想をお願いします。
実験と遊びを繰り返す4-D。
よりピュアな稚拙を保つ4-D。
過去と未来、大人と子供を自由に行き来する、「DENKMAL」は成熟の瞬間の点なのか。
たまらなく繊細な内向性が、暴力的にクるアルバムでした!